急な不幸に備える 弔問・会葬の手引き

急な不幸に備える 弔問・会葬の手引き

急な不幸でも慌てずに対応する

知人として知らせを聞いたとき

危篤の知らせが自分の元に届くのは、身内や親戚などを除けば、あとは当人にとってごくごく親しい友人や知人に限られます。家族にしてみれば「できれば死に目に会わせてあげたい」のが願いなわけですから、事情に関わりなく一刻も早く駆けつけましょう。電話を受けた際は、相手方の慌ただしさを考慮し、病人の容態など細かい話には言及せずに入院先などを簡潔に聞き取ります。
また、仕事の出張先や遠方へ外出中の際に知らせを受けた場合は、その旨を伝え、伺える日時を伝えます。
臨終に際しては家族の指示に従って心静かに対面します。特に病室などに駆けつけた際は、医師や看護婦の邪魔にならないように、取り乱すことなく事の成り行きを見守ります。
死亡が確認されたら丁寧にお悔やみの言葉を述べ、頃合いを見計らって手伝いを申し出ます。

近親者として知らせを聞いたとき

故人が近親者の場合は何をおいても駆けつけ、遺族の心の支えになりたいものです。喪家に到着したら、まずは遺族にお悔やみの言葉を述べます。多くの人の出入りで取り込んでいることが多いので「このたびはご愁傷様です」とだけ伝えるに留めます。
故人が友人・知人の場合は、すぐに駆けつけるかどうかは故人との交際の程度によります。特に親しく付き合いがあり、遺族とも面識がある場合にはすぐに駆けつけるのが望ましいでしょう。一般的な友人の場合には告別式に参列するだけでかまいません。

覚えておきたい「忌み言葉」
弔問や会葬のおりには、不幸が続くことを嫌い言葉遣いに気を付けます。忌み言葉とは次のような重ね言葉です。
「重ね重ね(かさねがさね)」「重ねる」「返す返す(かえすがえす)」「たびたび」「再び」「また」「追って」

喪家では失礼のないように

喪服は着用せず、香典は持たずに

喪家側の取り込みの最中に訪ねるのですから、弔問はできるだけ簡潔にしたいものです。また、わざわざ喪服に着替えて出向くのはかえって失礼にあたります。前から死を予期していたような印象を与えるからです。弔問には、香典を持たず平服で駆けつけるのがマナーです。
故人との対面は自分からは申し出るものではなく、遺族に請われてから行うのが普通です。急な出来事に対して気持ちの整理がつかず、対面が辛いようならば、その旨を遺族に伝えて対面を遠慮しましょう。決して失礼にはなりません。

故人への冥福をしっかり伝えましょう

弔問だけでなく、お通夜・葬儀の際には必ず、遺族の方々へ丁寧にお悔やみの言葉を述べましょう。言葉尻を濁さずに最後まではっきりと言いましょう。故人との関係性に関わらず「このたびはご愁傷様でございます。心からお悔やみを申し上げます」と簡潔に伝えます。
大切なことは、遺族への慰めの気持ちを表すこと、そして故人の冥福を心から祈ることです。遺族の方々に対し、頭を下げて一礼し気持ちを表すことが、故人に対する礼儀になります。

通夜でもお悔やみを丁寧に

通夜に訪れた際は、まずは受付を済ませます。香典を差し出し記帳しましょう。10~15分前には到着して着席します。入室時に喪主、遺族にお悔やみの言葉を述べ、先客に一礼することも忘れないようにします。読経後には丁寧にお焼香をします。
通夜後はお清めの席に案内されるので、特別な理由がない限り出席するのが正しいマナーです。

急な時に役に立つ弔電文例集
「ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」
「ご生前のご厚情に深く感謝すると共に、故人のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。」
「ご訃報に接し、ただただ悲しいばかりです。故人は慈父のようなお方でした。安らかにお眠りになられることをお祈りいたします。」
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会葬の際はマナーと服装に注意

会葬にあたっての注意点を確認

葬儀・告別式に参列することを一般的に「会葬」と言います。会葬の際の注意点は以下の通りです。
時間に余裕を持って到着する。香典は受付で差し出す。式途中の中座は控える。式後は出棺まで控え室で待機する。
また、会葬の際に受付がない場合もあります。その際はそのまま式場へ進み、香典は霊前に供えます。

不意な知らせなら地味な普段着で

不意な知らせで、駆けつけるときは地味な普段着で差し支えありません。頭髪や無精ひげなどに気を配って喪家に向かいます。女性は落ち着いた色合いのワン ピースなどと黒のパンプスを着用します。会葬の際に喪服を着ない場合は、男性は黒(または紺)のスーツに白のワイシャツを着用し、ネクタイ、靴下、靴は黒 で揃えます。女性は黒か紺のワンピースなどを着用します。以前は平服に黒の腕章を付けることもありましたが、これは近親者のみがすることです。

弔問を控えることも

どんなに親しい間柄であっても出産を控えていたり、結婚式を間近に控えているなどの慶事がある場合には、弔問を遠慮します。それが喪家への思いやりというものです。

弔事と慶事が重なった場合

友人の結婚式と知人の葬儀が重なった場合には、弔事を優先します。葬儀はその人にとって人生で最後の儀式になるからです。ただし、慶事が身内で弔事が会社関係などといった場合はこの限りではありません。

弔辞の例文(友人に捧げる場合)
「故○○さんの霊前に、謹んでお別れの言葉を申し上げます。生前のあなたは、趣味の草野球やスポーツ観戦に興じていましたね。夏には必ずナイターを見なが らビールを酌み交わすなど、尽きぬ思いでいっぱいであります。
昨年の入院以来、奥さんをはじめ、親族、知人、同僚の温かい励ましの言葉や看病などがありましたが、効果なく、奥さんの見守るなかで○日早朝逝去されまし た。 あなたの残された家族について、我々は最大限の努力と援助を惜しまない覚悟でございます。あなたの霊にさよならの言葉をもちまして、ここに弔事といたします。」

マナー違反が最も多いのは香典

香典のいわれ

亡くなった人の霊前に供える金銭および物品のことを香典(こうでん)と言います。本来は香をすすめる、香を薫じて供えるという意味ですが、現在では亡くなった人のためというより、残された人のお葬式の負担を補うという相互扶助的な意味から、一般的にお金を包むようになりました。
香典はいつ持参しても良いのですが、いちばん良いとされるのは通夜で、通夜に出席しないときは、告別式に持参します。香典袋は紺かグレーのふくさに包んで持参し、差し出すときに出します。そのとき、「ご霊前にお供え下さいませ」と一言添えるといいでしょう。
また、相手方の好みが分かっている場合には、香典の本来の意味からも、香りの良いお線香を選んで差し上げれば、お金とはまた違った心のこもったお供え物となるでしょう。

香典袋の選び方

地域によってや、弔事の内容によっても異なりますが、お通夜や告別式で使うのは「御霊前」です。「御仏前」は仏式で四十九日の忌明け法要当日から使うもので葬儀には使いません。タイプも「水引」と「多当」がありますが、これは主に金額が多い時には水引タイプを、逆に少ない時には多当タイプを使うのが習慣となっています。

※一般的に、亡くなった日より四十九日までは「御霊前」を使いますが、四十九日以降は新亡は成仏し、先祖の仲間入りをしますので「御仏前」を使うこととなります。

※四十九日の忌明け法要当日から”御仏前”を使います。

自分の名前を書き入れる

本来であれば香典は、半紙や奉書紙で中包みと上包みをつくり、白一色の水引を結びにかけます。しかし、最近では市販の香典袋を使うことが多いようです。
表書きは筆を使って薄墨で書くのが原則ですが、筆ペンを使用してもかまいません。表書きは宗派に関係なく使えるのが「御霊前」です。名前は必ずフルネームで書き、肩書きは右肩に小さく記します。連名で提出する場合には表にあまり多くの名を書くと失礼なので、三名くらいまでに留めます。それ以上の場合は代表 者の名前を中央に大きく書き、その左側にやや小さく「外一同」と書きます。

香典の種類

葬儀の形式などにより下記のようになります。

仏式の場合
「御霊前」ごれいぜん、「御香典」ごこうでん、「御香奠」ごこうでん、「御供」おそなえ、「御香料」ごこうりょう
<参考>
神式の場合
「御神前」ごしんぜん、「玉串料」たまぐしりょう、「御榊料」おんさかきりょう、「御神饌料」ごしんせんりょう
<参考>
キリスト教式
(プロテスタント)の場合
「御花料」おはなりょう、「お花料」おはなりょう
<参考>
キリスト教式
(カトリック)の場合
「御ミサ料」おんみさりょう、「御弥撒料」おんみさりょう

金額を書き入れる時は…

お金を入れる中包みに、表に金額を裏に差出人の住所氏名を記入します。

金額の目安は…

地域における相場や故人との関係性に左右されますが、目安は以下の通りです。友人・知人の場合は5千円から1万円。その家族の場合は5千円、隣人の場合は 3千円。身内に不幸があった際にも香典を出すのがマナーで、両親の場合5万円から10万円、兄弟なら3万円、親戚なら1万円が相場です。

贈り先 送る側の年齢 地域別
20歳代 30歳代 40歳代 60歳代以上 関東 関西
勤務先の上司 5千円 5千円 1万円 1万円 1万円 5千円
勤務先の同僚 3千円 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円
勤務先の部下 5千円 1万円 5千円 5千円
取 引 先 5千円 1万円 1万円 1万円 1万円
祖 父 母 1万円 1万円 2万円 1万円
両 親 10万円 10万円 10万円 10万円 10万円
兄弟・姉妹 5万円 3万円 5万円 3万円
叔父(伯父)・
叔母(伯母)
1万円 1万円 1万円 1万円 1万円 1万円
友人・知人 5千円 5千円 5千円 1万円 5千円

お香典を郵送する場合は

香典袋を現金書留封筒で折れないように注意して郵送します。その際必ずお悔やみの手紙を同封しましょう。

お香典の渡し方

香典を差し出す一般的なタイミングは通夜のときです。通夜に出席しない場合には、葬儀・告別式の際に出しましょう。
香典を差し出すときに、香典袋をそのまま持参するのはマナーに欠けるので、小風呂敷かふくさに包んで持参します。受付では、香典袋だけを取り出し、表書きの名前を相手側に向けて両手で差し出します。このとき「このたびはご愁傷様です」などの言葉を添えると丁寧です。また受付がなく、香典を祭壇・霊前に供えるときは名前を自分の方に向けて置きます。

数珠について

数珠(念珠)の意味

念珠は、人間のもっている煩悩が、全部で「百八」あるといわれていることに由来して計108個の玉からできています。その玉をひとつひとつ数えながら聖句を唱えるため、「数珠」といわれました。一般的には、108個もの玉でできた数珠は大きく重いので、玉の数が少なく、片手で扱えるものが主流です。

数珠の使い方

ふだんは左の手首にかけておき、拝むときは両手を合わせ、房が下にくるようにして、親指と人差し指の間にかけるのが正式なかけ方です。(宗派によって多少の違いがあります。)仏事の際は装身具の一部として必ず持っていきたいものです。

数珠の選び方

各宗派によって多少は異なりますが、一般的には各宗派用の一連の数珠が携帯もしやすく便利です。材質は菩提樹が最上とされていますが、デザインや好みでお選びいただけば結構です。

喪家の様式によって異なる焼香

主な抹香、お線香、立礼、座礼

お焼香に使われる香には抹香(まっこう)とお線香の二種類があり、主に抹香による焼香が一般的ですが、お線香が使用されることもあります。
また座礼、立礼など、いくつかの様式があり、喪家の座敷に設けられた祭壇では座礼の焼香、葬儀場などでは立礼の焼香が行われます。またスペースに限りがある座敷などでは回し焼香が行われることもあります。

抹香による焼香の仕方
  1. 指3本(親指、人差し指、中指)で香をつまむ
  2. 目の高さまでおしいただく
  3. 香炉にそっとくべる
  4. 合掌する

※焼香の回数は、宗派によって決まっている場合もありますが、1~3回で行います。

立礼での焼香の手順
  1. 遺族・僧侶に一礼
  2. 焼香台の前で遺影に一礼してから合掌して焼香
  3. 再度、合掌して一歩後ろに下がり、再び遺族・僧侶に一礼
座礼での焼香の手順
  1. 中腰で歩き、祭壇前から遺族・僧侶に一礼
  2. 遺影に一礼し、ひざ立てで祭壇に寄り合掌・焼香
  3. 合掌後、ひざ立てで後ずさりし、遺族・僧侶に一礼して自席へ戻る
回し焼香の手順
  1. 前の人に軽く礼をして香炉を受け、次の人に「お先に」と一礼する
  2. 香炉を前に置き、遺影に向かい合掌、焼香後にも合掌
  3. 遺影に一礼し、香炉を次の人へ回す
お線香による焼香の仕方
  1. お線香にローソクの火を移す ※本数は宗派による
  2. お線香の火を消す(息で吹き消さない)
  3. 香炉にお線香を立て合掌

告別式後は出棺そして火葬場へ

合掌して見送り、最後のお別れ

告別式に訪れた際は、よほどの用事がない限り式後に出棺を見送ります。
告別式を終えると参列者は一同に、喪家の外に並びます。祭壇から霊柩車へ棺が運び込まれ、親族代表の挨拶後に霊柩車は火葬場に向かいます。
霊柩車が動き出したら、合掌して故人を見送ります。一般の会葬者はこれが故人との最後のお別れの場になります。

出棺の際に鳴らすクラクションの意味
出棺の際にクラクションを鳴らすのが風習とされていますが、どのような意味があるのでしょう?
いくつかの説がありますが以下が最も有名です。
クラクションの由来は、古い風習の葬儀の際の葬列である、野辺の送りで行われていた茶碗割りのようです。この茶碗割りの儀式は故人の霊が再び家に戻って来ないで成仏してあの世に行けるようにと行われたものです。この時の茶碗を割る音が今も風習として残り、クラクションを鳴らすようになりました。そして、今では火葬場まで行けない人へのお別れの挨拶の意を示しているのです。

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