いざという時の手引き

通夜の際の手引き-いざという時の手引き

通夜の際の手引き

遺影、喪服などを用意

遺影には故人の人柄を反映する

遺影に使う写真は故人の顔が大きく写っているものが最適です。できればネガフィルムを用意したいところですが、プリント写真からでも引き伸ばすことが可能です。遺影を入れる額や額につける黒いリボンなどは葬儀社が用意してくれます。
以前は正装の写真を使いましたが、最近ではラフな服装の写真を使うことも多いようです。故人の在りし日の姿や人柄がうかがえるものを選びましょう。

供物などの整理は受付係が行う

受付には故人や喪家の友人・知人・会社関係者から供物や供花が届くこともあります。受付係は受け取り帳を作り、差出人と品物の内容を記帳します。供物は祭壇に、供花は棺に近い順に関係の深い順に並べます。
また、通夜が始まり葬儀が終わるまでの間にさまざまな出費が予想されます。思いがけない出費にも対応できるよう、十分な現金を用意しておくことをお勧めします。

遺族・親族は必ず喪服を着用

故人が亡くなった直後に駆けつけた弔問客を迎える際は、喪主、遺族は地味な平服で応対します。
通夜から葬儀、告別式までは、遺族、親類は喪服で通します。男性の正装はモーニングとされていますが、最近では準喪服である黒略礼服で望むことも多いようです。女性の正装は、黒無地のワンピースかツーピースです。

通夜に必要な役割分担

通夜の進行に支障がないよう。お手伝いを申し出てくれた方々に以下のような係をお願いします。

受付係
香典記録への記載、供物(くもつ)、供花(くげ)などの管理。
会計係
受付係から会葬者の香典を引き取り、収支管理。
食事・接待係
お清めの場所の確保、お菓子、料理、清酒などの管理と会葬者への接待。
交通係
駐車場の確保と案内、駅などから会場への誘導・案内。

通夜の準備は役割分担する

廊下やトイレの掃除も忘れずに

まずは、式場となる部屋を掃除します。掛け物が掛けてある場合は、できるだけ外します。外せないときは白い紙や布で覆って目障りにならないようにします。廊下やトイレなども掃除しましょう。

祭壇は部屋の広さで決める

その後、葬儀社が祭壇や飾り付けなどを行います。祭壇の前には焼香台を設け、その前に親族と参列者が座るスペースをつくります。
また、祭壇の大きさは部屋の広さに応じて決めます。

僧侶の控え室や宴席場も確保

祭壇の設営と平行して玄関には受付を設け、僧侶の控え室となる別の部屋を用意します。広さは四畳半程度で十分です。さらに、遺族や世話役が打ち合わせの際に使用する別部屋があると便利ですし、お清め用の宴席場も用意します。

玄関先には忌中札や提灯を

会葬者の邪魔になる自転車や植木鉢などは、別の場所に移動します。家の前の道路も掃除しておきましょう。玄関先には忌中札や家紋の入った提灯を飾ります。式場までの道順を示す矢印札は通夜の前までに貼っておきます。

神棚封じの際は必ずご神体を隠す

家族の誰かが死亡した場合、死の忌みを嫌う神棚に、白紙を貼って封印します。神棚に扉がない時は、白紙を縦に張り下げて、ご神体をかくすようにします。これを神棚封じといいます。仏壇がある場合は、忌明けまで扉を閉じておきます。

通夜の元々の由来とは?
通夜とは文字通り「夜を通す」というもので、かつては夜通し故人のそばで遺族や近親者が棺を見守りました。そのルーツを辿ると、遺体が夜の間に野獣などに 襲われないように付き添ったということです。
その名残から、ローソクとお線香を絶やさずに夜を徹して交代で見守る風習に繋がっています。今では本来の意味 こそ薄れてはきましたが「故人と過ごす最後の晩」「故人が寂しい思いをしないように」との意味も加えられ、夜通し棺に付き添う習わしが残っているようです。

血縁者は上座に

玄関は開け放し、明るくする

通夜のときは、玄関の扉を開け、門の周辺や玄関口などの周辺は照明を明るくします。多くの弔問客が訪れることが予想される場合は、手荷物や上着の預かり場所を設ける必要があります。できれば専門の係を置いておくとよいでしょう。

通夜の席次の決まり事

席次はある程度の決まりがあり、それに準じます。まず第一に故人と血縁が深い人ほど上座に座り、続いて世話役が座ります。そして近親者に続き故人の友人・知人などが座り、職場関係の人々が着席します。

通夜の席次例

通夜には仮通夜と本通夜がある

最近の通夜は短時間で済ませる傾向

そもそも通夜は親族などが灯明やお線香を絶やさずに、故人を夜通し守るものとされてきました。ですが、遺族の疲労度や防災面などの問題から、こうした慣例は薄れてきています。
また通夜には死亡当日の夜に遺族だけで行う「仮通夜」と一般の弔問を受ける「本通夜」があります。都市部ではどちらの通夜も短時間で済ませるのが一般的になってきています。

一般的な通夜の進行

1.受付開始
通常は開始30分~40分前から受付を開始します。
2.開場
喪主、遺族、近親者、親族は祭壇に向かって右手の席に着席します。世話人、知人・友人・会社関係などの弔問客は、祭壇の左手の席に着席します。
3.僧侶の出迎え

僧侶が到着したら控え室に通し、着替えなどの準備をしてもらいます。準備後、進行などの打ち合わせをします。

4.開式~読経と焼香
僧侶が祭壇の前に着席し、お経が始まります。僧侶から会葬者に焼香の指示がありますので順に焼香を行います。
5.僧侶の退出後に喪主からの挨拶
参列者全員の焼香後、通夜は終了です。僧侶の退出後には喪主が弔問客への感謝の言葉を述べます。また、お清めへの案内の口上を述べます。
6.お清め
弔問客にお礼の意を込め飲食の席を設けます。約1時間ほど、簡単な料理とお酒類でもてなします。

通夜後のお清めって何をするの?

お清めには精進料理を用意する

通夜の弔問客にお礼の意を込めて食事などのもてなしをする。これをお清めといいます。
料理は本来は肉や魚を使わない精進料理が用意されましたが、今ではサンドイッチや寿司、おにぎりなどのほか、煮物や揚げ物がふるまわれています。お酒は 「身洗い酒」という呼び名もあり、身を清める意味も含まれており、日本酒やビールが出されます。お清めには、世話役をはじめお手伝いに来ていただいた隣近所の人も同席します。席次は僧侶が出席する場合は上座に座り、以下は通夜の席次に準じて座ります。ただし、遺族・親族は必ず末席に座るようにします。
宴の時間はおよそ1時間程度を目安にし、喪主か世話役代表が閉会の挨拶をし、お開きにします。弔問客が退席する際は通夜礼状とお礼の品を渡します。

お清めの代わりとなる御膳料

僧侶がお清めを辞退したり、遠方から来ていて時間的に都合がつかないときは、白い封筒の表書きに「御膳料」と記し、1万円程度を包みます。またそのときに、「御車代」(5千円程度)も渡しましょう。

お清め後は各係が片付けを

通夜後は親族・世話役などが中心となって後片づけを行います。片づけが終わったら、明日の葬儀の打ち合わせを行います。喪主、世話役に葬儀社を交え、葬儀・告別式の準備と手順、火葬場へ行く人数の確認などをしておきましょう。

知って得するお線香の基礎知識
お線香は大切な仏様への供養物です。お線香は一度火を灯すと燃え尽きるまで芳香を放ち続けます。その香りは仏様に届くだけでなく、周囲へ区別なく様々な 「徳」を行き渡らせるのです。また、香りによって身体や心の汚れをはらい、不浄を清めるとも言われています。一般的にお線香は、長さ約10センチから30 センチ程度のものが広く家庭で使われています。焚き方は宗派によって異なりますが「仏・法・僧」に捧げることから香炉に三本立てることが多いようです。

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