香の原料

香の原料

香料はある時代では神に祈りを捧げる神聖なものであり、ある時代では生活の中の安らぎを得るためのものであり、そして人と人とのコミュニケーションをはかるものでした。それは今も変わることなく、そしてこれからも変わることはないでしょう。
現在は『香りの時代』といわれるように、香りは生活の場から欠かすことのできないものです。それだけに大切な時間が満ち足りた時間になるように、私たちは最高品質の原料を世界中から探し求め商品に使用しています。それらの香料をご紹介します。

基材

お香の香りを構成する基本原料素材の事。お線香の結着材として使用する椨は、香りが少ないという理由で用いられる重要な原料であるが、その椨のわずかな香りの違いがお線香の香りに影響する。その他白檀なども、多くの製品に使用され重要な基材と言える。

  • 椨(たぶ)
    椨(たぶ)
    産地
    台湾・中国・九州以南等。
    特徴
    主にお香やお線香の基材(のり材)として用いられ、配合した他の香料にも良く合います。
  • 白檀(びゃくだん)
    白檀(びゃくだん)
    香調
    インド産はソフトな甘いウッディ調のバルサミックな香気を有し、香気の持続性が著しい。産地により香りの特徴が異なる。
    産地
    インド、インドネシア、オーストラリア、チモール、トンガ等。
    特徴
    和名を白檀という。半寄生常緑の喬木で高さは3~4m、樹肌は灰白色で滑らかである。葉や樹皮はほとんど香らず、心材部分に甘みのある東洋調には欠かせない芳香がある。このサンダルウッドには変種が多いが、インド産のものが芳香性で高級品とされる。

香木系香原料

伝統的なお香の中心原料素材。日本の香りは「沈香」とも言える、沈香を主に、沈香の最高品質である伽羅。そして広範に使用される「白檀」がある。

  • 白檀(びゃくだん)
    白檀(びゃくだん)
    香調
    インド産はソフトな甘いウッディ調のバルサミックな香気を有し、香気の持続性が著しい。産地により香りの特徴が異なる。
    産地
    インド、インドネシア、オーストラリア、チモール、トンガ等。
    特徴
    和名を白檀という。半寄生常緑の喬木で高さは3~4m、樹肌は灰白色で滑らかである。葉や樹皮はほとんど香らず、心材部分に甘みのある東洋調には欠かせない芳香がある。このサンダルウッドには変種が多いが、インド産のものが芳香性で高級品とされる。
  • 沈香(じんこう)
    沈香(じんこう)
    香調
    甘味、辛味、苦味、酸味、鹹味などで表現される香りであり、また香木によりそれぞれ特有の香りがする。
    産地
    ベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマー、ラオス等。
    特徴
    沈香となる原木には香気がなく、老木や土中に埋没した倒木、枯木のほか虫食い等の様々な原因で傷つけられた傷害木に真菌類が作用して、長い年月の間に薫香を発する樹脂が生成して沈香となる。沈香は字のごとく水に沈む木であり、比重が大きく香物質の樹脂分が多い。

漢方薬・生薬系香原料

漢方薬・生薬系香原料:古くから香りのよいものが使用されてきた。よい香りを表現するために、古人の工夫に驚かされる。

  • 桂皮(けいひ)
    桂皮(けいひ)
    香調
    スパイシーノート。
    産地
    中国、セイロン、ベトナム等。
    特徴
    クスノキ科の樹皮を乾燥したもので、古代エジプトでは、ミイラ作りの防腐剤として使われていた。現在は、菓子、カレー、ソース等の食品香料の他、健胃剤、解熱剤、鎮痛剤など生薬、石鹸、香粧品にも使われている。
  • 丁字、丁香(ちょうじ、ちょうこう)
    丁字、丁香(ちょうじ、ちょうこう)
    香調
    スパイシーノート(ぴりっとした辛味調の匂い)の代表。
    産地
    マダガスカル、インドネシア等。
    特徴
    丁字の木の花蕾を乾燥させたもの。東洋の漢薬香料として代表的なもの。西洋でもクローブとして知られ、石鹸・香水などにも使用される。 かつては手に入りにくく、非常に貴重品とされていた。香料以外の用途として、スパイスとして料理の味付けに使用される。 正倉院の御物の中にも見られ、古くから日本に入ってきている。
  • 安息香(あんそくこう)
    安息香(あんそくこう)
    香調
    バルサム、バニラ様の甘みのある香り。
    産地
    タイ、ベトナム、スマトラ島等。
    特徴
    エゴノキ科の幹に傷を付け、この樹液を乾燥したもので、保香剤として薫香に、その他歯磨き、化粧品、鎮咳鎮痛の生薬に用いられている。 シャム安息香(タイ安息香)とスマトラ安息香がある。
  • 龍脳(りゅうのう)
    龍脳(りゅうのう)
    香調
    カンファリック。
    産地
    マレー半島南部、スマトラ、ボルネオ等。
    特徴
    熱帯雨林に分布するフタバガキ科の常緑樹の樹幹の心部にある空隙の奥深くにある結晶性顆粒。墨のすがすがしい香りは龍脳を加えることによって得られる。防虫剤、防腐剤として古くから使用され、マルコ山古墳(約1,500年前)の遺骨から検出されている。代用品として、安価な樟脳が使われる。
  • 大茴香(だいういきょう)
    大茴香(だいういきょう)
    香調
    アニス様の甘い芳香。
    産地
    中国広東、広西、福建省、インドシナ北部等。
    特徴
    シキミ科の常緑喬木の成熟果実を乾燥させたもので、リキュール、菓子、歯磨きにも用いられる。中華料理の香辛料「八角」としても有名で、生薬では健胃剤として使われる。

植物系香原料

植物の花や葉、枝、根等を香原料として使用する。そのまま、乾燥して刻みや粉状にしても用いるが、抽出した精油として使用する事が多い。

  • パチュリ
    パチュリ
    香調
    ウッディノート。重く、オリエンタルノートの代表格。
    産地
    インドネシア、インド、中国、スマトラ島等。
    特徴
    シソ科の多年生草本。パチュリの葉は青々としている時は匂いがなく、枝を離れてから強い匂いを放つ性質を持つ。日本では薫香用として古くから用いられてきた。また、香水にもベチバー、白檀と同様にベースノートとしてよく用いられる。
  • スミレ
    スミレ
    香調
    花から採取された香料は甘いフローラルノート、葉から採取された香料は力強いリーフィーグリーンノート。
    産地
    南フランス、北イタリア等。
    特徴
    日本名のスミレは世界で約500種が知られている。但し、芳香が強いという事で古くからヨーロッパのニオイスミレが香料に使われてきた。現在は価格の高騰からフラワーオイルはあまり使用されていない。
  • バラ
    バラ非常に華やかな香りで3大フローラル調の代表格である。現在バラの品種は数千種に及ぶが、香りが強く香料としてよく使用されるのは以下の2つである。
  • ローズ ダマセナ
    ローズ ダマセナ
    産地
    ブルガリア(バルカン山脈の南斜面)。
    特徴
    別名バラの谷とよばれるこの地方は気候、土壌共にバラの育成に最適といわれている。ここで採油されるものは香りが強く、フレッシュ、そして独特のハニー調をもっている。
  • ローズ センチフォリア
    ローズ センチフォリア
    産地
    南フランス、モロッコ、エジプト等。
    特徴
    強い香りを持っているが、ブルガリア産と比較するとソフト、スパイシーである。花精油の中で最もよく使用されるものである。
  • ラベンダー
    ラベンダー
    香調
    ハーバルノート。
    産地
    フランス、ブルガリア、イギリス、北海道等。
    特徴
    ラベンダーは標高700~1500m地帯に生育する。類似種としてスパイクラベンダーやラバンジン等がある。もともと、ラベンダーはオーデコロンを中心に使用されていたが、昨今のハーブ関連ブームにより用途が拡大している。近年では、この香りに精神安定の効果があるとして使われるようになってきた。
  • クラリーセージ
    クラリーセージ
    香調
    ややパウダリーなぶどう果実、アンバーグリスの香りを持ったラベンダー様の香り。
    産地
    フランス、ウクライナ、イタリア、イギリス等。
    特徴
    クラリセージは標高1000m未満の乾燥した土壌で育ち、白、ピンク色の花を初夏開花させる。よくリキュール類に使用される。
  • イランイラン
    イランイラン
    香調
    ジャスミンと似たフローラルノート。
    産地
    コモロ諸島、マダガスカル島等。
    特徴
    イランイランは熱帯気候下の海岸地帯で生育する。フローラル調の調合香料として多用されると共に昨今ではエッセンシャルオイルとして使用されている。
  • バニラ
    バニラ
    香調
    バルサムノート。
    産地
    マダガスカル、レユニオン島、セイシェル、コモロ諸島等。
    特徴
    バニラは収穫されたばかりのものは香りがないが、加温、熟成促進、乾燥という工程を経ると、茶色になり、バニラの香りを生じるようになる。出来上がったバニラは格付けされ、主にフレーバーとして使用される。
  • ベチバー
    ベチバー
    香調
    根っこや土の匂いを連想させるウッディ・アーシーな香り。
    産地
    レユニオン島、インドネシア、ハイチ等。
    特徴
    ベチバーは熱帯から亜熱帯にかけて生育するイネ科の多年生植物である。オイルは根から得る。ベチバーオイルは保留性と、力強いウッディな香りのために、重厚なオリエンタル調をはじめ幅広い香調にベースノートとして使われる。
  • 乳香(にゅうこう)
    乳香(にゅうこう)
    香調
    爽やかな甘みのあるバルサムノート。
    産地
    スーダン、ソマリア、エチオピア等。
    特徴
    産地により特定される植物の種類は異なるがいずれも灌木、小喬木の樹皮に傷がついた時に滲み出る乳白色の樹液で、空気に触れると黄色く固化する。乳香はキリスト教における薫香で、西欧で広く使用される。
  • クミン
    クミン
    香調
    スパイシーノート。
    産地
    インド、イラン、モロッコ、中国、南ロシア、インドネシア、トルコ等。
    特徴
    クミンは香料としてだけでなくカレー粉などの調味料や興奮剤、健胃剤など医薬用にも使われている。
  • セダー
    セダー
    香調
    ウッディノート。
    産地
    バージニア、モロッコ、中国等。
    特徴
    マツ科のヒマラヤスギ属の木。インドでは聖なる木として公園や社寺の境内等で植えられている。香料としては重要なウッディノートとして広く使われている。
  • ゼラニウム
    ゼラニウム
    香調
    強く快いローズ様の香り。
    産地
    レユニオン島、中国、モロッコ、タンザニア、ケニア等。
    特徴
    高さ約1mの比較的低木の常緑多年生草本で、香料は花が開く前に枝葉を集めて水蒸気蒸留、抽出製造される。様々なタイプの調合香料に使用されるため、香料素材として重要なものとなっている。
  • ジンジャー
    ジンジャー
    香調
    穏やかで新鮮なウッディノートとスパイシーノートの香り立ちで、レモンやコリアンダーに似たトップノートがある。
    産地
    中国、インド、西インド諸島、アフリカ東海岸、メキシコ、南米各地、クィーンズランド、オーストラリア等。産地によって香りの種類も異なる。
    特徴
    中国からヨーロッパに渡ったスパイスの中で、最も古いものとされており、日本へは約2600年前に渡来した。最終利用法によって、根茎が若く柔らかで木質化されていない時期、木質化された時期の2つの時期に分けて収穫される。
  • ジャスミン
    ジャスミン
    香調
    3大フローラルの一つで、優雅で芳醇な香りはホワイトフローラルの代表格といわれる。
    産地
    エジプト、モロッコ、インド等。
    特徴
    ジャスミンはローズと共に、最も好まれ頻繁に使用される香料素材である。花は夜半すぎに満開になるので、香りが最もよく調和した午前5時から9時までに収穫するのが好ましい。フランスのグラース地方が産地として有名であったが、収穫量、労働力等の問題から、現在はエジプト、モロッコ、インドに産地が移っている。

その他

伝統的なお香の原料として貴重な動物性香原料を使用する事がある。また、安全性を確認した合成香料も香りの表現を豊かにする為、一部使用されている。

  • 貝香(かいこう)
    貝香(かいこう)
    香調
    アニマルノート。
    産地
    マダガスカル、ザンジバル等。
    特徴
    中国南海や紅海にいる巻貝のふたで、日本産のバイ貝の一種。
    現在ではマダガスカル、ザンジバル産のものが多い。
    昔から練香などの保存剤として使用されてきた。
  • 麝香(じゃこう)
    麝香(じゃこう)
    香調
    アニマルノート。
    産地
    ヒマラヤ、チベット、中国雲南、四川、インド、ネパール等。
    特徴
    雄の麝香鹿の香嚢を摘出して乾燥したもので、一頭からたったの30gしか取れない。それ自体は強く鼻を刺す悪臭を放つが、1000分の1以上に薄めると官能的な芳香となる。化粧品、香水はもちろん強精興奮、媚薬剤としても用いられる。1973年ワシントン条約により特別な場合以外は輸入が禁止されている。