文化活動への貢献

文化活動への貢献

香道の普及と支援

  • 銀座の香間「暁」
    銀座の香間 「暁」
  • イリノイ大学 日本館での「香席」実演
    イリノイ大学での香席
  • ニューヨーク国連本部で「香道」紹介(1982年)
    米ディズニー・ワールド エプコット での香席

日本香堂は、世界でも類を見ない歴史と深い奥行きをもつ「日本の香り文化」を、後世へと継承したいという想いから、これまで何十年にもわたり「香道教室」を開催し続けてまいりました。
また香りに関する講演活動や書籍出版等、各方面の求めに応じて、私共の社員スタッフが精力的に支援取り組みに努めております。
さらにはアメリカ、アルゼンチン、ブラジル、フランス等、海外においても香道のデモンストレーションを展開。日本の香り文化を世界中の方々に紹介する活動に力を注いでおります。

2008年には銀座本社ビルに香道教室、外国人観光客の方々にも香道を体験していただくことを目的に香間「暁」を開設しました。「暁」の内装デザインは、京都・銀閣寺の弄清亭(ろうせいてい)の香間の間取りを模して造られています。
弄清亭(ろうせいてい)の香間は、香間の祖型といわれています。その伝統の香間を銀座に再現しました。

「ふるさとのお盆の思い出」絵画コンクール

「ふるさとのお盆の思い出」絵画コンクール授賞式(2019年3月)
「ふるさとのお盆の思い出」絵画コンクール授賞式(2019年3月)
  • 2018年度最優秀賞の作品
    2018年度最優秀賞の作品
  • 2018年度最優秀賞の作品
    2018年度最優秀賞の作品
  • 2018年度最優秀賞の作品
    2018年度最優秀賞の作品

「香り」に限らずとも、特に文化貢献の見地から重要性の高い催事・事業に対しては公演・協賛も行っております。
主催事業として、日本に古くから伝わるお盆の風習を現代の子ども達にも忘れないでいてほしいとの願いから、2000年より「ふるさとのお盆の思い出」絵画コンクールを開催しています。
おかげさまで2012年には70.000点を超える作品が集まり、また2004年からは文部科学省「子どもの居場所づくり」キャンペーンにも参加し、作品の質・量ともに国内トップクラスの絵画コンクールに発展を遂げております。

世の中はどんどん新しく様代わりしていきますが、一方で私達はいつまでも変わりなく忘れることなく大切にとっておきたいものを持っています。
誰の心にも宿る、穢れなく美しい風景、愛しく懐かしい出来事・・・。そんな<心のふるさと>とも呼ぶべき一生のたからものと巡りあう、子ども達にとって夏休みは最高の舞台と申せましょう。そこには私達が受け継いできた心やさしいお盆の風習もきっと息づいていることでしょう。

子ども達が身のまわりにある自然や文化、ご家族や地域とのふれあいに目を向け、驚き、感動し、一枚の絵に塗り込めるそれがいつの日か彼等ひとりひとりの<心のふるさと>をさし示す道標のひとつになるとすれば、どれほど素晴らしいことかと思っています。
また子ども達の作品をご覧になった方々が、ご自身の思い出と重ね合わせ、時代を超えて変わることのない無垢な世界に触れていただけることを願ってやみません。

子ども絵画館

次世代への「香り文化」の普及

小学校への出張授業とオリジナルお香の協働製作

横浜市立瀬ケ崎小学校様での香り袋作りイベント

「香りについて詳しく知りたいので、出張授業をして欲しいです」
きっかけは、瀬ケ崎小学校6年生の児童からいただいたお問い合わせでした。
子どもたちは総合的な学習の時間において、廃棄されてしまう「ヒノキ」のおがくずからエッセンシャルウォーターや精油を抽出する活動を行い、「香り」に興味を持ちはじめ、さらに、校内にある「アスレの森」* の中にあったタブノキの樹皮、ドクダミ、ヨモギや地域協力者から頂いたヒノキのおがくずを使用し、お香作りにも挑戦していたのでした。
お香まで手作りしてしまう程の熱意を持った子どもたちに、「もっと香りへの興味を深めてもらいたい」という想いから、出張授業を開催させていただくことになりました。
当日は調香師による「香料」についての説明の他、当社の所有している白檀・丁子・甘松等のお線香・お香作りにも使われる香原料やヒノキ精油等の香料を活用し、日本で古より親しまれている「香り袋」の制作体験をご提供しました。
普段なかなか触れることの無い原料の香りを慎重に確かめながら、オリジナルの調香を行い、世界に一つしかない香り袋を完成させた子どもたち。
思い通りの香りにならず、調香の難しさを感じているような場面も見受けられましたが、授業後には「楽しかった」というお声を沢山頂戴することが出来ました。

  • 出張授業の様子(2023年10月)
    出張授業の様子(2023年10月)
  • アスレの森
    アスレの森

オリジナルお香ー「アスレの森のいちごいちえ」の協働製作

出張授業の後まもなく、担当教諭より、子どもたちから「私も商品になるようなお香作りをしてみたいです」という声が多数上がっているとのご相談を頂きました。
出張授業により、子どもたちは「香り」により一層興味を持つようになり、自分たちでも販売できる製品を作ってみたいという想いに至ったようでした。
そして、この子どもたちの熱意が原動力となり、オリジナルお香の協働製作がスタートしたのです。
コンセプトは「子どもが『好き』な香りのするお香」です。
日本香堂が用意した香りの中から、子どもたちが選んだ香りは「いちご」と「森」の香り。
いちごの甘い香りと、森の爽やかな香り、この2つの香りは「アスレの森」*から学んだ子どもたちだからこその選択でした。
お香を包むパッケージにも、子どもたちの感性が光ります。
今回、子どもたちが自ら描いた瑞々しく爽やかな「いちご」と「森」の絵をそのままパッケージデザインに使用しています。
そして、商品名にある「いちごいちえ」の言葉には、「苺」と「一期」がかけられているだけでなく、商品づくりに関わってくれた人々、商品を購入してくださる人々を大切にしたいという子どもたちの想いが込められています。
販売会では子どもたち自らが店頭に立ち、ご来店いただいた地元地域の方たちに商品を紹介し、販売を行いました。
この売り上げは「アスレの森」の整備費に充てられるということです。
出張授業そしてオリジナルお香の協働製作という一連の活動を通じて、子どもたちの香りへの興味が深まり、古より受け継がれる日本の「香り文化」を身近なものに感じていただけたなら、嬉しい限りです。
日本香堂はこれからも、次世代への「香り文化」の普及に繋がる活動に取り組んで参りたいと考えております。

  • 出張授業の様子(2023年10月)
    オリジナルお香の制作(2024年2月)
  • アスレの森
    オリジナルお香「アスレの森のいちごいちえ」

*アスレの森は横浜市立瀬ケ崎小学校の体育館裏にある、自然の中で生物観察や遊びができる場所です。
この森をフィールドにして、子どもたちは様々な総合的な学習を行っています。