香木

白檀

和名を白檀といい、半寄生常緑の喬木で高さは3〜4m、樹肌は灰白色で滑らかである。葉や樹皮はほとんど香らず、心材部分に甘みのある東洋調には欠かせない芳香がある。このサンダルウッドには変種が多いが、インド産のものが芳香性で高級品とされる。

●香調
インド産はソフトな甘いウッディ調のバルサミックな香気を有し、香気の持続性が著しい。産地により香りの特徴が異なる。

●産地
インド、インドネシア、オーストラリア、チモール、トンガ等。

白檀
沈香

沈香となる原木には香気がなく、老木や土中に埋没した倒木、枯木のほか虫食い等の様々な原因で傷つけられた傷害木に真菌類が作用して、長い年月の間に薫香を発する樹脂が生成して沈香となる。沈香は字のごとく水に沈む木であり、比重が大きく香物質の樹脂分が多い。

●香調
甘味、辛味、苦味、酸味、鹹味などで表現される香りであり、また香木によりそれぞれ特有の香りがする。

●産地
ベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマー、ラオス等。

沈香
伽羅

沈香の最高級品を伽羅と呼ぶ。 ベトナムのごくわずかな地域でしか採出されず、非常に希少且つ高価な香木である。 現在も詳しいことはほとんどわかっておらず、沈香と伽羅の違いは含まれる成分の違いであると解釈されている。かつては天皇や将軍など、時の最高権力者、貴族や高僧、豪商といった人々しか香りを聞いたり、扱ったりすることができなかったほどの最高峰の香木である。

●香調
涼しさをともなった辛味や長く続く甘味、その他の酸味、苦味、鹹味とのバランスが大変よいとされる。

●産地
ベトナムのごくわずかな地域。

伽羅

六國五味

六國五味

香の十徳

香木の愉しみかた

聞香(もんこう)

「香」の香りを嗅ぎ分けることを「聞く」(「利く」)といい、香道では「聞香」(ききこう、もんこう)といわれます。〝香を聞く〟ことは、つねに香りを嗅ぎ分けることから始まり、感覚を呼び起こすことで終わります。

香を聞く方法は、香炉に小さな炭団を埋め、その上に銀葉という雲母板を置き、そこに3ミリ角ほどの小片に切った香木をのせてたき、かすかにくゆる香りを聞きます。
昔の人達は「馬尾蚊足」といい表し、馬のしっぽの毛や、蚊の足のように細い香木を用いて香を楽しみました。これは、日本では産出されない貴重な香木を大切に永い間使うためにとられた手段で、そのおかげで今日でも、何千年もの間受け継がれてきた香木を楽しむことができるのです。そればかりではなく、「馬尾蚊足」程度の量の方が、たきはじめからたき終わりまでの香りの変化を楽しむことができ、多すぎたのではむしろ、この変化を味わうのが難しくなるといわれています。

香りを聞く

聞香炉

空薫(そらだき)

平安時代になると家具、着物などに香りをたきしめたり、部屋の雰囲気を変えたいときなどに、日常生活に香を持ち込み楽しむようになりました。
これを空薫といい、練香・香木・印香などを楽しむ際に用いるたき方です。
当時練香は好みの香りを各々で調合していたので、香をたきしめた衣服などの移り香で香りの主がわかることもあったそうです。
強く香るため、お部屋など広い空間で香りを楽しむのにもおすすめです。

空薫(そらだき)

このページのトップへ