企業の指針
香りある心豊かなくらし

これは日本香堂が設立以来、一貫して追求してきたテーマです。
その意味は時代とともに少しずつ変化を遂げ、
私たちのビジネスフィールドも、仏事を中心とした「祈り」の
分野から、ヒーリングやリラクゼーションのニーズに応える
「癒し」の分野、さらに香りの機能面を応用した「健康」分野
まで、大きな広がりを見せています。
これらの分野に新しい価値と市場性を創造し、
人々の心やくらしをより豊かにするために、
日本香堂はいま、「香りときめき」を新たなテーマに掲げ、
香りのポテンシャルを最大限に追求しながらそれを核とした、
創造活動を積極的に展開しています。

伝統技術と最先端技術、東洋の文化と西洋の文化、
先人の美意識と先鋭的な感性……、
世界でも類を見ない
この「多種価値の融合」を力に、
私たちは世界へ、未来へ向けて、
これまでにない新しい価値を
提供してまいります。




「社会貢献こそ日本香堂のミッション」
―第三世代への旅だちにあたって―

日本香堂ホールディングス
代表取締役会長兼社長
小仲 正久

このたびの大震災に遭遇して、わたしたち日本人が従来の延長線上の感覚でいるのならば、極端には「日本は滅びる」と言わざるを得ません。ここで、徹底的に意識改革をしなければなりません。危機を転機に変えるべきだと思います。
具体的にどのような方向に意識を変えるのか。それは、わたしたちすべてが原点に帰って、真摯な気持ちで働き、勉強するということなのです。60数年前に敗戦という、かつて日本人が経験したことのない事態に直面しながら、見事に立ち直った。それは、一人ひとりが各々の立場で、真摯に努力したからだといえるでしょう。日本を滅ぼさないために、ここで踏ん張って努力しようではありませんか。

それと並行して重要なことは、助け合うということです。現在、日本は未曽有の危機に直面している。それを脱するために懸命に努力するとともに、おたがいが助け合うという精神を強くもつことが大切です。みなが努力しながら助け合う―この意識と行動が国を救うことになると言っても過言ではありません。

実は、このことは当社日本香堂にとってもまったく同じことなのです。社員一人一人が各々の立場で真摯な努力をするという、強い意志をもつことです。これまで努力をしてこなかった、とはいいません。みなさんは、これまでも努力をされ、勉強に仕事に励んできました。しかし、いま日本は大変な国難に遭遇しています。そういう状態の中で、わたしたち日本香堂の社員は、従来の延長線ではない心機一転したさらなる努力が必要です。

それでは、こうした状況の中における日本香堂のミッションは何か。それは、「社会貢献」です。日本が危機的状況に陥っている。こうした中での当社の目標は、売上や利益ではありません。社会貢献です。日本香堂という会社が社会にどんなことで貢献できるかを考え実行することです。それがしっかりできるならば、売上や利益は自らついてくるものだと思います。
会社として金銭的な寄付をしましたが、社会貢献はそれだけではありません。物心両面でも貢献を持続的におこなうということが重要です。たとえば、ご承知のように被災者の方に当社で働いていただくということを実行しています。住宅を無償で提供しています。そして、その方たちの生活用品の提供を日本香堂の社員に呼びかけたら、すぐ集まりました。うれしいかぎりです。まさにこれが助け合いの精神です。
また、震災前から東北地方で寄席の公演を計画していました。郡山・山形・仙台・秋田・盛岡・八戸、まさに被災地での公演となります。

「こういう状況だから中止すべきだ」という意見が多くありました。いや、違うと思います。こういう時だからこそ、人々は笑いを必要としていると考えます。これも一つの社会貢献です。わたくしは、公演をおこなうという意思決定をしました。
そして自粛ムードで社会が暗くなっているいま、当社はテレビCMも再開しました。「強く生きよう青雲」というメーセージで。これは四五年前から言い続けている社会へのメッセージです。人生の応援歌です。このCMについて、「この時期にこのCMは最高」という賛辞を、ACを通じて多くの視聴者からいただきました。これも社会貢献のひとつだと思うのです。
日本が大きな危機に遭遇している、まさにそのときに、日本香堂は第3世代に入りました。ご承知のように、第1世代は昭和17年に東京孔官堂として株式会社化したとき。第2世代は、昭和41年に日本香堂として独立したとき。そしてホールディング・カンパニー制度となった今年が第3世代なのです。

こうした時期に、日本香堂は「社会貢献」という全者共通の旗印の下に、広くグローバルの世界へと旅立ったのです。わたくしたちはいまこそ、一枚岩になって社会のお役に立とうではありませんか。
それこそが日本香堂のミッションなのです。



「自由闊達な企業を目指す」

日本香堂
代表取締役社長
小仲 正克

去る2011年4月1日、株式会社日本香堂ホールディングス(以下HD)が設立され、日本香堂の社名は変わりませんが、事業会社として新しく発足致しました。

一.ホールディング体制と新生日本香堂の役割
この持株会社体制構想の原点は、日本市場が成熟化する中で、グループとしてグローバルに成長するための枠組みづくりです。したがってHDの機能は、一.持ち株会社機能、二.グループ全体の戦略策定、三.戦略に基づいた資金調達と投資の三つです。具体的には、HDがグローバルな見地から戦略を策定し、事業会社の収益を一元化し、金融機関からの資金調達もからめながら、今後国内外の有望な事業会社に投資をする、という構想です。その中で、日本香堂の役割はHD傘下の最大の売上・利益の企業ですから、グループを支えるために、キャッシュカウとして「利益貢献」をすることが求められます。
換言すれば、日本香堂なしのHDは成立しません。

二.新生日本香堂のあるべき姿
利益といっても、その利益は社内で創出されるものではなく、お客様によって創り出されているということを忘れてはならないと思います。
ドラッカーは「経営とは顧客の創造である」と述べています。また当社顧問であったベッツイ・サンダースは、「サーバント・リーダーシップ」、すなわち「社員は顧客に奉仕することが使命」であると述べています。したがって「私たちの給与は顧客からいただいている」ことを忘れてはなりません。
また内向き姿勢は絶対に禁物です。
われわれは常に「For the company」で、外を向き、外から内を眺め、将来から現在を眺め、グローバルな目線で内を眺めることが大切です。社内では部署の利益を優先したり、前例のないことはやらない主義は官僚化の始まりです。
「For the company」の目線で、横断的なコミュニケーションを密にして、会社の一体感を大切にして参ります。大切なのは実行力ですので、私自身も実践してまいります。
さらに今回の震災は「経営のあり方」に大きなインパクトをもたらしました。とくに地域社会との結びつきについてです。いままで企業は環境問題や社会問題など地域社会の犠牲の下に繁栄しているケースもありました。しかし今後は「企業活動がいかに地域社会の発展と連携できるか」という使命観がいっそう重要になります。企業は社会的存在で、社会の一部なのです。

三.震災の与える影響について
現在、日本は震災によって多くの方々の生命が失われ、被災をしておられます。国への影響は計り知れなく大きなものがあります。企業についても、原料資材の確保、節電対応、消費者心理の変化などにより大きなインパクトが想定されます。直接被害額は10〜25兆円、複合的な二次被害も4〜25兆円と推測されています。一方、過去の震災の例からすると、約半年から一年後に大規模な復興需要が発生する見込みもあります。
いまは不確実性の高い状況にありますので、企業として極力身軽な体制にするときです。この機に筋肉質の企業に進化するため、不要不急なものは見直し、先送りする必要があります。
ある調査によると、震災により八割の人がストレスを感じており、それによって「節約」「巣ごもり」「癒し」「省エネ」「リスク分散」「安全・安心」の六つの消費者心理が高まっている、とのことです。とくに「巣ごもり」、「癒し」という点は、当社が社会に貢献できるテーマです。
また「節電」という課題は、仕事の取り組み方にも変化を与えます。私どもはこれをポジティブにとらえ、サマータイムの導入により、全社でより密度の濃い仕事の取り組み方と、豊かなライフスタイルの両立につなげたいと思います。

四.自由闊達な企業を目指して
いまは日本の国としても正念場を迎えております。国難の時期だからこそ、一つになって大きな力を生み出さなければなりません。個々人は下を向くのではなく、自立心を持って明るく、力強くしなければなりません。人は、明るく、かつ情報を持っている人のところに集まるものです。企業は独自性をもたなければなりません。
私たちはステイトメントにもありますが、「薫香とホームフレグランス分野において差別化されたオンリーワン企業、名実ともに世界一の企業、そして永続する企業」を目指します。
私が石巻と気仙沼を訪れた際、被災した得意先の方々から共通してうかがったのは「自分達は亡くなった方々比べれば、生き延びられただけ幸運だった。そのことに感謝しなければならない」という言葉でした。私たちは明日どのような運命になるか分かりません。だからこそ、目指す今日一日一日を悔いの残らないよう全力を尽くしましょう。そして皆さんの力で「自由闊達な日本香堂」にしようではありませんか。
強く生きよう青雲!